ピンポン
先日BS NHKで映画「ピンポン」をやっていた。
私、実は原作である漫画は読んだことがないのです。
それでも映画の評価が高いことを知っていましたし、漫画の実写映画化の中でも成功した部類であることも聞いていました。
というわけで期待して観たのですが、その期待を裏切られることはなく、素晴らしい映画でした。
先ずはクドカン脚本。始まりから終わりまでが気持ちよくまとまっています。
無駄がないというか、必要十分。
役者も良い感じ。
映画冒頭でI Can Flyと言った窪塚洋介は、後にマンションから実際に飛び降りることになるのですが、良い演技でしたw
良いキャラクターが多くいる中で特に良かったと思うのが佐久間(アクマ)ですね。
必死に努力してきて、四六時中卓球のことを考えてきたはずなのに、努力を大してしていないスマイルに呆気なく負かされる。
彼が一番人間味があったように思います。
負けたことで凡才にしか見えない景色を彼は見ることになる。
それでも彼の生き方があるわけで、退部にはなったものの、あれで良かったのだとも思う。
悲しいことだけれども
そしてスマイルは才能があったにもかかわらずプロになることはなかった。
そうすることを彼が望むことはなかった。
その代わりペコこそが彼のヒーローであり、ペコがプロになることが彼にとっての望みでもあった。
才能が必ずしも望む者にのみ与えられるわけではなく、どんなに望もうとも手に入れられない者が数多くいる。
それでも卓球だけが人生の全てではないし、むしろ卓球をやっていない時間の方が多くの時間を占めているわけである。
だから必ずしもアクマやチャイナ、ドラゴンは不幸なわけではないし、寧ろあの時の敗北が彼らを成長させていくのかもしれない。
その成長が卓球とは関係のないものであったとしても。
凡才はそれでも生きていくし、努力をする。
天才に勝てなくとも、努力し続けるしかない。
一番大事なのは自分に納得できるか否かである。
登場人物は皆、勝った人間も負けた人間も最後には納得しているのではないだろうか。
彼らは自分を認めることができた。
勝つこともある、負けることもある。
例え負けたとしても、自分の弱さを認めれば強くなれる。
彼らは強い